インタビュー

「子連れで通えるママのための居場所づくりを」芦屋ママプレイス いしいひとみさん

ASHIYA RESUME ロールモデルインタビュー

芦屋を拠点に活躍するさまざまな起業家や女性たちの言葉をお届けしているロールモデルインタビュー。

今回は、子育て中のママがリフレッシュできる居場所作り、人と人との繋がりを作る「芦屋ママプレイス」を運営する いしい ひとみ さんに、活動を行うことになったきっかけや活動への想い、今後挑戦していきたいことについてお話しいただきました。

インタビュー実施日|2022年11月

ご紹介

 

「芦屋ママプレイス」を運営する、いしいひとみさん。2人のお子さん出産後、会社を退職し専業主婦として過ごしていましたが、新型コロナウイルスの流行をきっかけに、ママのための居場所づくりを決意。子連れで参加できるハンドメイドイベントを企画・主催しながら、管理栄養士と食育アドバイザーの資格を活かしてセミナー講師や企業のレシピ開発など、幅広く活躍されています。

 

自身の子育てでの経験からコミュニティの立ち上げを決意

 

「芦屋ママプレイス」という、家庭と地域の繋がりが作れるコミュニティサロンを運営しています。お子様連れで参加して頂けるママの為のコミュニティで、ハンドメイドや食育、ヨガなどを楽しみながら子育てのあるある話に共感したり、時には悩みを相談できる場所、ママのリフレッシュやお友達作りの場所にして欲しいなと思って立ち上げました。

 

大学を卒業後、管理栄養士の資格を取得したものの当時若かったこともあり、他の業界にもチャレンジしてみたいと思い、栄養士の道ではなく都市銀行に就職し会社員として勤めていました。仕事はとてもやりがいがあり楽しく働いていたんですが、結婚して子どもができたときに、「思いっきり子育てがしてみたいな」と思い、仕事を辞めて専業主婦になることを決意しました。

 

下の子が幼稚園の年長になり、子ども達もある程度手がかからなくなってきた頃、新型コロナウイルスの流行がはじまり子どもと自宅で自粛生活を過ごすことが多くなりました。市で運営されていた子育て広場もコロナの影響で閉鎖されている状態で、ママ友と繋がる機会が少ない中、登園自粛や外出自粛の今、子育てが大変な時期のママたちはどう過ごしているのだろうと無性に心配になりました。

 

私自身、主人の仕事が忙しくいわゆるワンオペ育児でしたが、ママ友に恵まれたこともあり、お互い助け合って子育てをしてきました。あの時、周りの助けがあったおかげで子育ての大変な時期を乗り越えることができたと思っています。子どもの趣味にはとことん付き合い、子どもの知りたいことは一緒に調べ、家の中では季節のイベントを楽しんだり、私自身ママ業をすごく楽しむことができました。

 

そういった自分の経験から、『孤育て』をなくしたいという想いで、子育て中のママの為の居場所やリフレッシュの場を作れないかと考え「芦屋ママプレイス」を立ち上げることにしました。その活動が芦屋市立市民活動センターリードあしやより認められ、子どもを笑顔にできる人として「芦人(ろまん)認定」をいただきました。

 

芦屋ママプレイスのイベントに参加するママたち
芦屋ママプレイスのイベントに参加するママたち

まずは小さな一歩から、自分のやりたいを明確に

 

最初は何から始めれば良いのかもわからない状態だったので、まず芦屋市商工会の「芦屋創業塾」に参加しました。しかし、周りは本当にビジネスとして起業を意識している人たちばかりで、自分の目指しているものとは違うかもしれないといったズレを感じていました。

 

そんな時に『ASHIYA RESUME salon』で、新しいことを始めたい方に向けたセミナーが開催されていたので、参加してみることにしました。その中で「自分に何ができるかとかそんな大きなことじゃなくてもいいから、小さな一歩は何かを探してみよう」という言葉を聞き、自分のなかですごくしっくりきました。

 

自分の「好き」や「得意」を棚卸して、今までの経歴や経験から自分の強みを発見し、何ができるのかを少しずつ探していく。そうすることで「自分にもできることがありそうだな」「わたしにはやりたいことがあったんだ」と、モヤモヤが晴れ自分のやりたいことが明確になりました。

罪悪感や葛藤もシェアすることで乗り越える

 

活動をはじめたばかりの頃は「どうやってママ達に知ってもらうのか」「そもそもニーズがあるのかどうか」と不安だったこともあり、ASHIYA RESUMEの講座に参加して集客の勉強やWEBサイトの制作、Instagramでの情報発信に挑戦しました。

 

しかし、それまでやっていなかったInstagramをはじめたことで、私自身がスマホを触っている時間が増え、子どもとの会話の時間が減ってしまったことに罪悪感や葛藤もありました。

 

なので、あえて自分のやっていることを子どもに話すようにしました。「こんな写真を撮って今から投稿するよ」とか「いいね来るかな?」と会話してみたり、イベント用のハンドメイド作品を子どもと一緒に試作してみたり、コミュニティの活動を子どもと一緒に共有することで家族との時間とバランスが取れるように意識しました。

 

ママたちの声から進化するコミュニティサロン

 

最初は私自身がハンドメイドが得意だったことから、子連れで参加できるハンドメイドイベントからスタートしました。しかし、実際に参加したみなさんは悩み相談や子育てのあるある話、自分の仕事や人生・子どもの生き方、時には愚痴など、作品を作ることを忘れてしまうくらい会話で盛り上がる方が多かったです。

 

参加されるママ達のお声を聞くうちに、「食事で家族の健康を守りたい」「子どもに身体に良いものを食べさせたい」と思っている方が多いと知り、大学卒業後に取った管理栄養士の資格を活かしたいと思うようになりました。そこから、食育アドバイザーの資格も取得し、腸活や発酵、日本の伝統的な食文化の勉強をしてスキルアップし、ママたちに食についての学びも開催しています。

 

現在は芦屋ママプレイスでの活動以外にもフリーの管理栄養士として、食育ワークショップの開催や企業のレシピ監修、さまざまなイベントに講師として登壇のお声掛けをいただくようになりました。

 

今後は、「芦屋美発酵堂」という新たな活動を立ち上げ、バランスの良い食事や安心安全な食生活を伝えるママのための食育、麹を使った発酵調味料の手作りワークショップ、その他、食を通じて親子で楽しめるイベントを開催していきたいと考えています。

 

過去の自分へ伝えたいメッセージ「軽い一歩を踏み出そう」

 

私自身、専業主婦の期間が長くて、自分には何もなくて何もできることがないし、このまま子育て終わっていくんだろうなと思っていました。「それもそういう人生かな」「悪くはないな」と思っていたのですが、ちょっと何かやってみようって一歩踏み出したことで、本当に色んなご縁をいただいたり挑戦させていただいたり、今まで知らなかった世界を見ることができました。

 

自分の力で働いて自分の足で立っている女性がたくさんいることを知り、みなさん本当に輝いているように見えて、私自身はまだまだそこには至らないんですが、今は自分の人生を生きているなと実感しています。

 

子育てして家のことをして仕事もして、毎日すごく忙しいです。でも、忙しければ忙しいほど「自分の人生を生きてるな」と感じることができたのは、子育てだけじゃ得られなかった充実感かなと思います。

 

私がASHIYA RESUMEに参加したように、自分とは違う別の人生を見るくらいの軽い気持ちで一歩踏み出すことで、そこには自分の知らなかった世界や人に出会ったり、今まで見えなかった景色が見えたりします。今いる場所が「何か違う」「なんとなくモヤモヤするな」っていう方は、今まで行かなかった場所ややってみたいことに挑戦してみてほしいです。

 

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