インタビュー

緑のある暮らしの提案、世代を超えたコミュニティづくりを目指す|ポイエシス代表 藤山文さん

ASHIYA RESUME「場をつくる人」インタビュー
芦屋を拠点に、様々な人とつながりながら「場」をつくり、運営する女性たちのインタビュー。今回は、芦屋市を中心に多世代交流を目的としたマルシェの企画と運営を行う、ポイエシスの代表の藤山文(ふじやまあや)さんに、主な活動内容や活動目的などをお話しいただきました。

インタビュー実施日|2024年2月

ご紹介

 

2022年より芦屋市内の公園や公共の場を中心に、多世代交流を目的としたマルシェを企画運営するポイエシス。インテリアコーディネーターでグリーンアドバイザーとしても活躍する、藤山文さんを中心とした6名のメンバーで創設されました。高齢者から子どもまで、多世代が交流できるコミュニティづくりをテーマに、自治会も交えた街づくりに取組まれています。

 

マルシェを通して地域貢献、街づくりを目指す

 

ポイエシスは芦屋市内を中心に世代を超えた多世代による地域交流・地域貢献を目的とした、マルシェやイベントの企画と運営を行っています。

 

花と緑のある豊かな庭園都市を目指す『芦屋庭園都市宣言』に参画しており、私自身も芦屋オープンガーデンの実行委員を務めています。ポイエシスが運営するマルシェではオープンガーデンの期間に合わせて、お花を取り扱うワークショップを企画するなど、『花や緑で暮らしに笑顔と潤いを』をテーマに活動しています。

 

現在は8名のメンバーが主軸となって活動しています。企画やデザイン、こどもの遊び担当など、それぞれ普段は個人のお仕事や活動があるなかでポイエシスの活動に参加しています。

 

ポイエシスは「花と緑が街を綺麗にする」「多世代交流」「SDGs」3つの活動軸を挙げていて、マルシェを開催することが目的ではなく、マルシェを通して地域貢献や街づくりを目指しています。

 

インテリアデザイナー、整理収納アドバイザー、大学講師など幅広く活躍する藤山さん
インテリアデザイナー、整理収納アドバイザー、大学講師など幅広く活躍する藤山さん

 

ひとりではじめた活動が市民の集うマルシェへ成長

 

インテリアコーディネーターとして独立したのは、今から約20年ほど前になります。出産後は大学での講師業や後輩育成が主となり、子どもと一緒に野菜や花を育てるうちに園芸にも興味を持ちグリーンアドバイザーの資格を取得。暮らしの中に緑を取り入れたライフスタイルのご提案をしています。

 

そのようなライフスタイルの実践の場として、自宅で活動をしたいと考え、芸術系大学の教員をしている夫と相談して、家にギャラリーも併設してワークショップや講座も開いてみようということになりました。ただ二人とも忙しい中で主人は建築、私はインテリアにこだわったので、ここ芦屋の街で土地を探すところから始めて、着工まで何年もかかってしまいました。

 

そこで、ギャラリーが完成した時に向けて、宣伝も兼ねてまずは外で活動をはじめようと思い、あしや市民活動センター『リードあしや』で、整理整頓の講座を実施したのがポイエシスの活動のはじまりです。

 

整理整頓の講座を受講した方々の「不要になったけど思い入れがあって処分できないもの」を、フリマで出品するためのイベントを企画したところ、せっかくならとワークショップやハンドメイド品の販売など、色んな出店者とコラボすることになり、結果、リードあしやを貸切っての大きなイベントになりました。

 

その後、花と緑を扱った活動をきっかけに、芦屋庭園都市宣言のプロジェクトに関わるようになり、2021年頃から芦屋市内の公共施設を中心に「ポイエシスマルシェ」の企画運営をスタートしました。

 

リードあしやにて開催したイベント「ふれあいカフェ」の様子

 

ポイエシスから広がるコミュニティの輪

 

ポイエシスマルシェの良いところは、出店した皆さんの満足度がとても高いところです。自分が出店するだけではなく、自分もマルシェを楽しみましょうという場なので、参加者さん同士が仲良くなり、コミュニティを育む場所としての役割が大きいです。

 

多世代交流のやり方を学びたいと関わってくださった方がマルシェでの経験を活かしてご自身でも交流の場をつくったり、出店されたカメラマンさんやバルーンアーティストさんが新たに繋がったコミュニティでも活躍されたりなど、繋がりの輪が広がっています。

 

マルシェに出店されてる方々は、マルシェを知って問い合わせてくださる方もいますが、主に私が個人で出会った方々に直接「出店しませんか?」とお声掛けしてご参加いただくことが多いです。

 

高齢者生活支援センター、住宅用建材の大手メーカーや大手園芸メーカー、証券会社や生命保険会社といった企業様にもお声掛けをして協賛として出店いただいています。

 

マルシェの中の催しとして、時には企業の社長にギターの演奏会をしていただいたり、芦屋市前市長にご登壇いただいたこともありました。

 

ポイエシスマルシェは3年で9回実施(内2回が新型コロナウイルス流行の影響や雨天により未開催)

 

人の温かみや生きる楽しみを感じられる場所づくり

 

どこの地域でもそうですが、自治会・子ども会・老人会と世代によってコミュニティが分かれています。でも、地域には子どもから高齢者まで幅広い世代が暮らしているので、分かれてしまっているコミュニティをひとつにしたいという思いがあります。

 

私は祖父母、親、子世代の同居する、三世代同居の家庭で育ちました。両親は共働きでしたが、いつも祖父母が居たので寂しい思いはしなかったです。祖母が婦人会に参加していた関係で家族で地蔵盆や盆踊り、夏祭りなどによく連れて行ってもらったのが思い出です。

 

自分自身が親になった際には、私の母は既に他界しており主人の母も東京だったので、身近に子育てを手伝ってくれる人がいなかったので、子育てセンターやシルバー人材センターの子育て支援などのコミュニティによくお世話になりました。そのため今度は自分が、地域のお子さんから高齢の方のお役に立ちたいという気持ちがありました。

 

そこで、私個人が地域の自治会の会長を務めていることもあり、昨年から新たな取り組みとして地域全体を巻き込んだ、子どもから高齢者まで参加できるハロウィンイベントをスタートしました。ポイエシス協力のもと集会所のイベントとして開催するなど、実践しています。

 

高齢者の方からは、学ぶべきことがたくさんあると思います。逆に親世代は自分の子ども達をみて知る、最近の流行も多いと思います。親世代・子ども世代・高齢者世代とそれぞれが出来ること、求めていることが違うとは思いますが、マルシェでは世代を超えて学ぶ楽しい場にしたいです。

 

ポイエシスのマルシェは、すごく有名な作家さんが出店するとか集客力のある有名な方が来るようなマルシェを目指していません。人の温かみや生きる楽しみを感じられる場所でありたいです。皆さんが「来てよかったな」と、笑顔になって帰れるのがポイエシスのマルシェです。

 

地域・多世代で繋がるコミュニティの輪

 

ギャラリー「キュリ・アス」から新たな活動支援を

 

そして、芦屋でやってきた当初の目標だったギャラリー兼自宅の完成が目前となり、今後はポイエシスとしての活動だけではなく、新しく何かに挑戦する人のための「場」を準備しています。

 

ポイエシスはもともと私の個人事業の屋号で、夫に考えてもらったとても思い入れのある名前です。最初はここまでマルシェの活動が大きくなるとは思っていなかったのですが、今ではポイエシスという団体・マルシェとして多くの方に認知していただいています。

 

なのでこの名前はそのまま団体名として残し、新たな活動の場をギャラリー「キュリ・アス」として、ここ芦屋市浜芦屋町にて2024年春頃よりスタートします。

 

「キュリ・アス」ではポイエシスで出会った方々や夫が務める大学の学生の方々など、これから個人で新たな挑戦をしたい方にご利用いただければと思っています。1階はワークショップや講座などを開くレンタルスペースとして運営予定で、2階のギャラリーは作家さんの展示会場として活用いただけるスペースになり、「キュリ・アス」を利用して作家の方が物販できる仕組みも考えています。

 

ポイエシスは社会貢献事業として活動していますが、「キュリ・アス」は逆に新たな事業として、様々な方の挑戦の第一歩を支援する場として活動していきたいです。

 

最近はマルシェが注目されるようになりましたが、ポイエシスは竹園集会所、芦屋スカウト会館、親水中央公園などの花壇活動にも重きを置いていて、ポイエシスの収益金の一部は緑の募金に協力しています。マルシェの開催には多くの準備期間が必要なので、年間1回程度の開催を目標に、今後は一緒にポイエシスを盛り上げてくれる仲間づくりに力を入れたいと思います。

 

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