インタビュー

「産前産後ケアが当たり前の世の中に」|ママリュクス 夙川店 院長 大久保こづえさん

ASHIYA RESUME ロールモデルを見つけるインタビュー

芦屋を拠点に活動をする女性たちのさまざまな暮らし方や働き方についてお聞きするロールモデルインタビュー。

今回は、「ママの笑顔はこどもの笑顔」をモットーに、整体を通して女性の産前産後の心と体のケアをサポートする「ママリュクス(mamaluxe)夙川店」院長の大久保こづえさんに、立ち上げのきっかけや活動を通して伝えたい思いについてお話しいただきました。

ママリュクス夙川店店長 大久保こづえさん

ご紹介

 

「ママリュクス(mamaluxe) 夙川店」院長の大久保こづえさん。結婚・出産を機に務めていた会社を退職し、専業主婦として子育てに専念していましたが、離婚をきっかけに手に職を付けようと2人の子どもの子育ての傍ら、学校へ通い整体技術を学び整体師の資格を取得しました。整体師として勤めた後に、2017年にマタニティ・産後ケアに特化した整体院「ママリュクス」を立ち上げ後、幹部メンバーとして活動。現在では全国に認定店を展開し産前産後ケアの認知向上を目標に活動しています。

 

産後のママたちを助けたい!産前・産後ケア専門の整体院を開業

 

整体師の資格取得後、整体整骨院に数年勤めていました。そこで、女性のお客様をよく担当していたので、女性ならではの心身のお悩み(特に出産後の体の不調)を聞く機会が多くありました。

 

またパーテーションで仕切られただけの空間は、たとえ子連れで来られたとしても、赤ちゃんが泣いたら周りに迷惑がかかるのではとママたちは心配してしまい、安心して赤ちゃんを連れて施術が受けられない環境でした。

 

自分自身、出産後に体の痛みや産後うつなど大変だった時に、当時周りの人たちに救われた経験もあり、産後の心と体のケアの大切さを身に染みて実感していたので、赤ちゃんを預けることができず産後のケアが受けられない環境からどうにかしてママたちを助けたいと思い、ママリュクスを立ち上げることにしました。

 

ママリュクスでは、プライベートな空間で周りを気にせずゆっくり施術を受けていただき、子育て経験のある託児スタッフがお子さんを見守るので、ママがゆっくりと優雅に産後ケアを受けていただけます。

 

子連れで施術が受けられる整体院ママリュクス
ママリュクスの託児スペース

 

自分の経験をもとに、産後のママの体と心に寄り添う

 

起業をするべきか悩んだ時に、後押しとなったのが今まで出会ったママたちでした。最初は辛そうな状態で来られたママが、状態が良くなり笑顔になって帰っていく姿を思い出すと、やっぱり起業しなければと思う気持ちが強くなりました。

 

今まで色んなママたちに出会い、体のことだけでなくプライベートなお悩みもお伺いしてきて、夫が単身赴任や帰りが遅いなどで、普段からワンオペ育児でひとりで頑張っているママがたくさんいました。

 

また、地域柄なのか夫の転勤で引っ越して来られた方も多く、周りに頼れる身内や知人がおらず、子どもを預けられる人が居ないという声も多かったです。

 

私自身も子どもを出産後、当時夫の帰りが遅くワンオペ育児で、慣れない育児に外に出るのが憂鬱になり、窓を締め切ったまま引きこもってしまった経験がありました。今思うと産後うつ一歩手前の状態だったと思います。

 

私たちの時代は出産や子育てが大変なのはあたり前、我慢するのがあたり前な社会でした。でも、昔に比べて生活様式も違えば、環境も違う。自分たちが苦労してきたこと、我慢してきたことを次の世代に強いるのではなく、もっと今の時代にあった改善が必要です。

 

ニュースで取り上げられることも増えてきましたが、日本では産後うつが原因で命を落としてしまうママが少なくありません。そうなる前にもっと助けられる命があるのではと思っています。

 

そんなママたちを救いたい、寄り添ってあげたいとの思いで事業を続けています。

 

ママリュクスに来院したママと子どもたち
ママリュクスに来院したママと子どもたち

 

子育てと仕事との間で葛藤、家族の理解があったからこそ乗り越えられた

 

今まで子育ても自分なりにこだわりをもってやってきましたが、起業に向けて準備を進める中で、やはり仕事に重きを置く時間が多くなり、子どもの為にも頑張りたいし、自分のやりたいことにも挑戦したいと思う気持ちで葛藤することもありました。

 

以前、整骨院に勤めていたとき毎日忙しく帰りも遅かったため、「自分たちよりも仕事が大切なのではないか」と子どもたちから誤解を受けた経験があったからです。

 

シングルで働いていたので仕事を辞めることはできませんでしたが、子どもたちに理解してもらうために、あなたたちが一番大切だからこそ仕事をしていること、自分はいやいや仕事をしているのではなく大変だけど自分が好きな仕事をしていることを伝えることで、自然と子どもたちも私の仕事に対してすごく理解し、協力してくれるようになりました。

 

ママリュクス立ち上げ後の2019年に、産前産後ケアの先進国でもあるフランスへ行き、骨盤底筋を鍛える『ペリネケア』を学び習得しました。フランスでは産前産後のケアはあたり前で、その医療費は全て国が負担します。日本で現在ペリネケアが受けられるのは、ママリュクスだけです。

 

ママになってからの新たな挑戦、そして学び。家族の理解があったからこそ、乗り越えることができました。

 

盤ケア先進国フランスへ訪問
盤ケア先進国フランスへ訪問

 

過去の私へ届けたいメッセージ「信念をもってずっと続けてきて良かったよ」

 

骨盤は体の土台となる重要な部分なので、出産後そのままにしておくと、将来的に尿漏れや骨盤臓器脱、高齢になっても様々なトラブルを伴います。

 

活動をはじめてすぐの頃は、産後ケアはまだ全然一般的ではなく、どうすればもっと認知してもらえるのかと悩みました。しかし、ここ数年でじわじわと産後ケアや骨盤底筋の大切さがどんどん浸透してきて、この活動を続けてきて良かったと感じました。

 

時代は変わり、昔に比べて運動量も大きく減っています。次の世代、親となる子どもたちのためにも、ママと子どもで一緒に遊びながら運動不足を解消し体を鍛える、つぎはそんな仕組みを企画しています。

 

自分が直感的に一番最初に感じたことって、私は正しいと思っています。自分の進む道に迷ったとしても、どうして自分がこうしかたったのかを振り返り信念を再確認し、自分の思いを貫くことで夢は叶うと思います。

 

仕事と子育てで悩んだあの頃の自分にメッセージを送るなら「信念をもってずっと続けてきて良かったよ」と伝えたいです。ママの笑顔は子どもの笑顔をモットーに、これからも活動を続けていきたいと思います。

 

過去の自分へのメッセージ

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