インタビュー

「さりげないかわいさ、上質さを追求」  アクセサリー作家 榎木麻衣さん

ASHIYA RESUME ロールモデルを見つけるインタビュー

新たな一歩を踏み出した女性たちに、事業を立ち上げたきっかけや継続する上での課題などをお聞きしました。
新型コロナウイルスの感染状況に伴い、遠隔(オンライン)で取材しています。

ご紹介

デザイン事務所でのデザイナー経験を経て、フリーランスのDTPデザイナーとして活動していた榎木麻衣さん。結婚・出産をきっかけにデザインの仕事からは遠ざかっていましたが、子どもの幼稚園入園を機に、子ども用のグッズを作るようになり、再びものづくりの楽しさに目覚めたといいます。現在は、子どものヘアアクセサリーを中心としたフリーのアクセサリー作家としてご活躍されています。

芦屋リジュームのワークショップでヘアアクセサリーを作ると宣言

短期大学卒業後、デザイン事務所でデザイナーをしていました。

その後、独立してチラシやパンフレット、おもちゃやフィギュアのパッケージデザインをするようになりました。

出産を機にデザイナーとしての活動は徐々に減っていたのですが、子どもの入園に合わせて幼稚園のグッズを作り始めました。近所の生地屋で開催されていたソーイングレッスンに通ううちに、とにかくミシンを使うことが楽しいと感じていました。

 

そんな時に、子育てをしながら何かできることはないかと、芦屋リジュームのワークショップ(2019年のsalon)に2回参加しました。

講師や参加者の皆さんと話していくうちに、これから自分はどうしたいかを考えるきっかけになりました。

今後について一人ひとり宣言する場があったので、「今年中にヘアアクセサリーを作りたい」と宣言し、アクセサリー作りを始めました。

市場にないものをカタチにする難しさ

なぜヘアアクセサリーにしたかというと、市販のもので、子どもにつけたいと思うようなデザインがなかったからです。

作ると決めてからは、「minne(ミンネ)」などのフリマアプリで手作り系の作家さんの作品をリサーチしたり、幼稚園のママ友にヒアリングをしたりして、方向性を決めていきました。

 

結果、一番作りたいと思ったのは、小さな飾りのヘアアクセサリーでした。

大きい飾りのヘアアクセサリーはお店でもよく売っていますが、お出かけなど特別な時でないとつけられません。

普段使いができるように、なるべく小さくてシンプルなデザインで、さりげなく上質でおしゃれなヘアアクセサリーを目指しました。

幼稚園に送り出してから怪我をするといけないので、安全なゴム製に統一することにしました。

材料の仕入れや作り方はすべてインターネットで調べて自己流で学びました。自分で作って使っていく過程で、壊れにくい作り方などを習得していきました。

 

作ってみると、なぜ、市場に出回っていないのかがわかりました。

大きいのも小さいのも手間が同じで、小さいからと言って簡単にできるわけではありません。逆に手間がかかることもあります。

でも、できあがるとちまっとした感じに見えるので、ビジネスとしては成立しないのかなと思いました。

 

細部までこだわりが詰まったヘアアクセサリー。ブランド名は「maturica」。

お店のイメージ、全体のトーンを大切に

今年の2月に初めてイベントに出店しました。

販売スペースは長机一つだったので、お店全体のトーンを統一することを意識しました。

いろいろな色の生地を買って作品を作ったけれど、お店に並べる作品はブルー、パープル、グレー、くすんだピンクなど、色の系統を揃えました。

並べた時にきれいに見えるように、お店の全体的な雰囲気を大事にしました。

次回はラッピングやショップカード、ディスプレイの見栄えなども考えていきたいです。

 

イベントに出店して嬉しかったことは、お客さんの声を直接聞けて、お顔を見せていただけたことです。

直接つけてもらって「嬉しい」とか「かわいい」とか言ってもらえたり、表情が見えたりすると、作品作りで苦労した期間が報われた気がしました。

イベントから半年以上経った頃、公園で会った子どものお友達がイベントで買ってくれた作品をつけてくれていました。

「ずっと使っている」と言ってくれて本当に嬉しかったです。

 

イベント時のディスプレイ。小物や作品など、店全体の色のトーンが統一されている。

作品数を増やし、次のステージへ

新型コロナウイルスの影響で、イベントでの売り場がないので、今後はネットでの販売をしていきたいと思っています。

フリマアプリなどを利用するか、販売方法は模索中です。

 

また、作品の種類も増やしていきたいと思っています。

これまでは、子どもがつけるのに危なくないようにと、リボンのゴムとヘアターバンのみでした。イベントでは、カチューシャやクリップも欲しいというお声を頂いたので、検討していきたいと思っています。

今後はもっと大きなイベントに出店できるようになりたいです。目標は百貨店の手作り作家フェアに出ることです。

子どもの成長とともに仕事の幅も広げていきたい

子どもが小学校に入学したので、自分の時間もできるようになってきました。

ヘアアクセサリー作りのきっかけは、自分の子どもにつけたいもの、欲しい物を作りたいという思いから始まっているので、これからも子どものことは一番に、家事や育児の隙間に活動していきたいと思っています。

 

子どもの成長とともに、作りたいものが変わってくると思います。

自分が「こういうのがあればいいな」と感じたことはきっと、他のお母さんたちにも通じるところがあると思うので、母親としての気づきを生かしながら作品の種類を増やしていきたいと思います。

 

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ASHIYA RESUME ロールモデルを見つけるインタビュー

 

新たな一歩を踏み出した女性たちに、事業を立ち上げたきっかけや継続する上での課題などをお聞きしました。
新型コロナウイルスの感染状況に伴い、遠隔(オンライン)で取材しています。

写真提供:インタビュー対象の方

取材日時:2020年12月~2021年1月

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