インタビュー

「コミュニティを生み、人と人をつなげていく喜び」 ヨガ講師 兼 ライター 栗林直美さん

ASHIYA RESUME ロールモデルを見つけるインタビュー

新たな一歩を踏み出した女性たちに、事業を立ち上げたきっかけや継続する上での課題などをお聞きしました。
新型コロナウイルスの感染状況に伴い、遠隔(オンライン)で取材しています。

ご紹介

芦屋市・神戸市東灘区をメインにヨガ講師として活動する栗林直美さん。独身だった会社員時代に通い始めたフィットネスクラブで出会ったヨガは、多忙な日々の中で自分と向き合う時間を与えてくれたそうです。ヨガ哲学を極めるため、仕事の傍ら、インストラクターの資格を取得。9年間勤めた会社を退職後、専業主婦期間を経て、ヨガ講師としての活動をスタートされました。現在はママヨガやカフェでのレッスン、プライベートレッスンなど、幅広くレッスンを行っています。

ヨガ講師を始めたきっかけはママ友からの依頼

夫の転勤で新卒から9年間勤めていた会社を退職し、8カ月間は専業主婦に専念しました。

子どもが生後半年の頃に仲良くなったママにヨガのインストラクターの資格を持っていることを話したことがきっかけで、ヨガを教えることになりました。

ちょうど、仕事を辞めたことで、改めて人生と向き合い、生き方そのものを考え始めた時期でした。

キャリアも中断し、何もかもゼロになったような気がしていたので、ヨガを教えるという理由で行ける場所があることが、とても幸せに感じました。

産前に大手のホットヨガスタジオに内定をもらっていたのですが、妊娠を機に断念していたので、未経験のままフリーランスのヨガ講師として活動をスタートすることになりました。

 

ママヨガの様子。親も子どもも各々リラックスした環境でレッスンを受けることができる。

できないことに捉われず、何ごとも臨機応変に

当初は利益目的ではなく、経験を積み重ねることを目的にスタートしたので、初期費用をかけないことが課題でした。

子どもが利用できるレンタルスペースや施設を探して、子連れレッスンをするようになりました。プライベートレッスンやお家に出張するというスタイルも採用しました。

集客の方法は、ウェブサイトを作る他に、ジモティやストアカを活用するなど、費用のかからない宣伝広告を利用しました。

ヨガ講師を始めて約5年。事業として成立させるというより、目の前にいる方に楽しんでもらったり、ヨガの良さを知ってもらったりと、とにかく満足してもらうことを目標に続けてきました。

 

コロナ禍では、施設が使えなくなり、レッスンができなくなりました。

緊急事態宣言の際も家にずっといて、運動がしたくなったので、「会えなくなってしまった生徒さんや友人も同じように感じているかも?」と思いオンライン(Zoom)でヨガを開催したら、15〜16名の方が参加してくださいました。

リモートワークで運動不足になり、普段ヨガをしない方も参加してくれたのが嬉しかったです。

画面越しでも久しぶりに皆さんの様子を知れて、私の方が元気をいただきました。できないことに捕らわれるのではなく、今この状態で何ができるのかを考え、臨機応変に順応していくことの大切さを実感しました。

今後は、オンラインのレッスンにも力を入れていきたいと思っています。

コミュニティづくりに貢献できる幸せ

ヨガがすごく好きで、ヨガ哲学を深めるために、ヨガのインストラクターの資格を取得しました。

ヨガの気持ち良さをわかってもらえることが嬉しいし、体の硬さを心配していた方が気持ち良かったと言ってくれるのが私の幸せです。

 

子連れクラスは、お母さん同士のつながりができたり悩みを共有できたりします。

自分がヨガ講師をすることで、人が集って、交流が生まれるコミュニティを作れていることがやりがいです。

 

大切にしていることは、その都度、相手に満足してもらうことです。

今この瞬間に集中して、意識を留めて、自分に向き合う時間を作って欲しいという思いを伝えています。

エクササイズとして体が軽くなったり気持ち良くなったりする運動としての効果以外に、育児や仕事のことを手放して、自分のことに集中する時間にしてもらうことを心がけています。

 

外でのヨガの様子。ヨガを通して自分に向き合う時間を作ってもらう。

 

”母親”という存在の背景にあるものを世に広めたい

会社員時代に社内報の編集長をした経験から、昨年、ライター業も始めました。

友人から紹介してもらった業務委託の仕事で、ライティングと編集業務をしています。

もっと踏み込んで聞いて記事を作りたいという思いが強くなり、今年、”母親”の生き方を紹介するインタビューサイト「TOIRO(といろ)」を立ち上げました。

 

サイト運営は突拍子のないことに思われるかもしれませんが、実はヨガ講師の仕事と関係が深いのです。

ママヨガのレッスンを開催したおかげで美術の先生や元パティシエなど、いろいろな特技や趣味を持つ母親たちに出会いました。

素敵な母親がいることをもっとたくさんの人に知ってもらいたくて、母親主催の絵画教室や料理教室の開催を提案したり、集客や告知に協力したりしました。

自分自身が紹介でヨガレッスンを続けてこられたので、やりたいことがある人がいたら全力で応援したいと思っています。

 

母親たちの考えていることやその人の良さを伝えていきたいという思いはインタビューサイトにもつながっています。

インタビューをすると、本人ですら気づいてなかった活動にかける信念や理想の生き方について話を聞けることがあります。

インタビュイーの方にとっても読者にとっても、妻ではなく母ではなく「一人の人間として、どう生きたいか」を考えるきっかけになるような記事を書いていきたいです。

将来的には、インタビューサイトに登場してくれている方や読者の方同士のつながりをコミュニティに発展させていきたいと考えています。

 

母親として娘と向き合いながら、理想のバランスで働きたい

今後はライター業やインタビューサイトの運営にも力を入れていくという栗林さん。

 

会社員だとオンとオフがはっきりしていますが、フリーランスとして働く今は時間の使い方もバランスも自分で決めることができます。

オンとオフの境目がなくなる分、自分で調整する難しさがあります。

娘が幼稚園から帰ってきても、パソコンで仕事をすることがありますが、私にとっては育児も仕事も同じように楽しくて大切なので葛藤します。

仕事はしたいけれど、母親としてもしっかり娘と向き合いたいです。

娘の成長に合わせて自分の理想のスタイルやバランスを考えながら、常にベストな働き方を模索していきたいです。

 

 

 

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ASHIYA RESUME ロールモデルを見つけるインタビュー

 

新たな一歩を踏み出した女性たちに、事業を立ち上げたきっかけや継続する上での課題などをお聞きしました。
新型コロナウイルスの感染状況に伴い、遠隔(オンライン)で取材しています。

写真提供:インタビュー対象の方

取材日時:2020年12月~2021年1月

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