インタビュー

あなたの夢をサポートする、地域の心強い応援団|リードあしや

ASHIYA RESUME 施設紹介インタビュー
芦屋を拠点に女性たちのやりたい働き方や暮らし方が実現できるよう、一緒に考え応援してくれる施設をご紹介するインタビュー。
今回は、芦屋市立あしや市民活動センター(通称:リードあしや)で、ボランティアから起業まで、幅広く市民活動を支援している事務局長の橋野浩美さん、事務局の株本就子さんに、施設概要と詳しい活動内容についてお話しいただきました。

インタビュー実施日|2023年2月

左:事務局の株本就子さん 右:事務局長の橋野浩美さん

(ご紹介)

2007年に開設した芦屋市立あしや市民活動センター(以下、リードあしや)は、市民活動を行う個人や団体のサポートをしています。支援内容は、活動の相談を中心に助成金などの申請書類の作成支援、学びの場や交流機会の提供から広報サポートに至るまで、さまざまです。事務局長の橋野浩美さん、事務局の株本就子さんは、一つの相談内容から派生する、市民活動に必要な支援を、イベントやセミナー企画と連動して提供しながら、市民活動の活性化に貢献されています。

やりたいことを、声に出してみる場所

橋野:リードあしやは、市民会議の中で、活動の拠点になるような場が欲しいという声から生まれた場所です。

リードあしやでは、皆さんの“やりたいことを形にしてもらう”ことを目指しています。相談は、常時10時~16時です。まずは、事前にご予約をお願いします。リードあしやにお越しいただくことが基本ですが、電話やメール、オンライン(Zoom)での相談も受け付けています。お気軽にご相談ください。

まずは、やりたいことを相談していただき、起業を目指すべき内容であれば、芦屋市商工会などを紹介し、より専門的な相談に移行していく場合もあります。

NPO法人設立の際の書類の書き方、ボランティアに興味のある方には、活動先のご相談も受けています。男女共同参画センター、弁護士や公認会計士などの士業とも連携しており、相談内容に合わせて紹介したり、紹介いただいたりしています。

起業に至らないまでも、地域の課題を解決するためのツールとしてコミュニティビジネスがあります。活動費を賄い、潤滑に活動できるようにサポートしています。

事務局長の橋野浩美さん。財団や大学でコーディネーターをしていた経験からリードあしや勤務となる。

コミュニティビジネス応援の場としては、みなさんの“やりたいこと”を発表してもらうために、年に1度、プレゼン大会を行っています。「あしや市民活動フェスタ 未来をつくる芦屋たぶん100人会議~あなたの『やりたいこと』コミュニティビジネス・プレゼンテーション大会~」です。

参加者の大半がプレゼンの前に受講しているのが、「CB(コミュニティビジネス)ゼミナール」。もちろん、セミナーを受けなくても、プレゼン大会に出ることはできますが、まだ確立されていない思いや考えをまとめ、人に伝えるという術を学べます。

グランプリと準グランプリ受賞者については、「Just! do it」というプログラムの中で、専門職員が1年間、企画と運営をサポートします。

プレゼン大会で、ただお話をして終わるのではなく、形にしていくというのが趣旨。最終地点が決まっている方は多いのですが、最終地点に行き着くまでの方法がわからない方が多いです。目的を達成するための方法を一緒に考えていきます。

市民活動をする際には、初期の企画プラン作り、チラシ等での広報支援、活動後の報告書作成までの一貫したサポートが必要だと考えております。

コロナ禍ではデジタル化が進み、活動者の声から動画制作やZoomの勉強会を開催しました。受講した方がソフトを使えるように、AdobeのPremiere Proを有料でお貸しすることも可能です。

施設1階では、コピー機や輪転印刷機の他に、折り機や大判プリンターも利用できる

得意分野を生かしてステップアップ

株本:起業やコミュニティビジネスよりもう少し気軽に、食の分野で何かをしたいなと思っている方が、利用できる「Leed cafe 1日シェフ」企画があります。

第2・第4水曜日、第1・第3土曜日に1階オープンスペースを利用して、朝カフェとランチの運営ができます。初めての方にはスタートアップコースを経験して頂き、その後フリープランコースで活動を続けていただけます。食器やフライパンなどの備品の貸し出しも行っています。集客の方法や広報、収支報告までサポートしていますので安心して活動いただけます。興味のある方はぜひ一度ご相談ください。

「Leed cafe1日シェフ」で利用できるキッチン
1階のオープンスペース

橋野:実際に「Leed cafe」を経て、キッチンカーを購入し、クレープのお店のオープンを今年に控えた方もいます。飲食店のように設備が整っているわけではありませんが、手軽に使っていただき、実際にかかる費用について、考えてもらう機会になればと思っています。

株本:「Leed cafe」の利用者のほとんどは女性です。自分の得意な料理を生かして、コミュニティが広がっていくように感じます。

橋野:相談を受けていると、男性はすぐにでも起業や就職をしたいという方が多いですが、女性は昼の空いている時間を利用して、そこからステップアップしたいという方が多数です。家事や育児などで、フルタイムで働くことや就職をすることはできないけれど、すきま時間でやりたいことを無理なく実現したいという30代~50代の女性に多く利用いただいています。

株本:お母さんと子ども向けの企画もあります。「つきいちよるごはん~ママと子の居場所~」という金曜日の夜に開催する企画で、今年度は6回開催しました。この企画では夕食を提供し、親子で楽しく過ごしていただきます。ハンドマッサージやヨガ、絵本の読み聞かせなど、リードあしやで活動されている女性が協力してくださり、楽しい企画になっています。

今はリードあしや主導で企画していますが、今後は、お母さんたちが“やりたいことをする”という企画に成長していって欲しいと思っています。

小さなお子様連れの方は、起業や市民活動の相談よりも、イベントへの参加が多いです。会議室はいろいろな形で利用できるので、是非活用していただき、リードあしやに足を運んでいただけたら嬉しいですね。

橋野:ママたちで会議室を借りて、マルシェのようなことをしたり、古着を売ったり、リース作りや英語教室などでご利用いただいている方もいます。

リードあしやの会議室の利用稼働率は高く、今年度は、稼働率の高い部屋で80%。コロナ禍前に戻りつつあります。2時間240円~利用ができるので、使っていただきたいです。

橋野:子どもが対象の企画もあります。工作や紙芝居、スタンプラリーが楽しめる「夏休み子どもわくわくスペシャル」や「あんあーと」です。今年度は8月と10月に開催し、200人近い親子に参加いただきました。小学生のボランティアグループであるスマイルボランティアや市内の在校生、高校生新聞記者が大活躍しました。健康や園芸の企画にはご高齢の方も来られます。いろいろな企画を催しているので、幅広い年代の方に参加いただいています。

 

協働しながら、語り合える場を

橋野:他の企業や行政と協力しながら行っている事業や企画もあります。「ためまっぷ芦屋」は、芦屋市と社会福祉協議会とコープこうべと4社で協力しながら行っている事業です。

芦屋市内で、どのようなイベントが開催しているか、Googleマップに連動しているので開催場所も一目瞭然です。子育てに関するお出かけ情報はもちろん、災害時にはボランティア募集や炊き出し情報を表示することもできます。

株本:市民活動にも利用ができます。自分でホームページを作ると、コストがかかりますが、「ためまっぷ芦屋」の団体ページを利用すれば、ホームページ代わりになります。活動紹介を掲載したり、ラインやメールで直接やりとりしたり、イベントページにチラシをアップしたりすることができます。

事務局の株本就子さん。グラフィックデザイナーの経験を生かして、リードあしやの広報支援全般を担当。

橋野:市の地域福祉課や学生と一緒に行った事業もあります。芦屋市が発行する「地域福祉のトリセツ」という冊子の作成です。

株本:地域福祉は、年度替わりに次年度の計画が出るのですが、なかなか若い人に見てもらうことができないということでした。学生たちの意見を反映しながら、若い人にも読んでいただけるように、漫画風の冊子を作成しました。

橋野:このように、私たちは多岐にわたって市民活動のサポートを行っています。

ご相談いただいてそこから花開く人、開かない人、迷いがでてくる人もいます。法律的に難しいものもあります。ただ共通点として自分1人では、できないことが多いと思うので、一緒に考えながらやっていくということを心がけています。

私たちが目指しているのは、同じ目標を持つ市民・団体が協力しながら働く「協働」という形です。業種別ではなく、内容でカテゴライズし、協働することでいろいろなニーズがわかり理解しあえるのではないでしょうか。

私たちリードあしやは協働しながら、語り合える場を構築できる支援を継続し「活動人口100%のまち」を目指します。

芦屋市立あしや市民活動センター|https://www.ashiyanpo.jp/

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