インタビュー

暮らしや働き方のモヤモヤを気軽に相談できる場所|男女共同参画センターウィザスあしや

ASHIYA RESUME 施設紹介インタビュー
芦屋を拠点に女性たちのやりたい働き方や暮らし方が実現できるよう、一緒に考え応援してくれる施設をご紹介するインタビュー。

今回は、芦屋市の男女共同参画センターウィザスあしやで、「女性のためのステップ相談」(女性活躍相談)の相談員を務める、女性活躍コーディネーター兼キャリアカウンセラーの桐山衣代さんに、普段の仕事内容と、相談を受ける際に大切にしている想いについてお話しいただきました。

インタビュー実施日|2023年1月

芦屋市役所 市民生活部 人権・男女共生課 桐山衣代さん

(ご紹介)

芦屋市男女共同参画センターは、性別にかかわりなく、誰もが社会のあらゆる分野に参画することができる社会の形成に向けて、活動するための施設です。
施設内では、男女共同参画や労働、ライフスタイル、子育て等に関する図書の貸出や講座を実施。家族問題・夫婦関係など女性が抱えるさまざまな悩みの相談窓口を設けています。
相談窓口の1つである「女性のためのステップ相談」(女性活躍相談)では、女性が働くために必要な心構えや情報を、一人ひとりに合わせて提供しています。
相談員を務める桐山衣代さんは、相談者の状況にあわせ、時には親身になって寄り添い、時には行動を促しながら、働きたい女性の心強い味方として、日々、相談に携わっています。

女性が働きたいと思ったときに、気軽に相談ができる場所

「女性のためのステップ相談」(女性活躍相談)は、ハローワークのように仕事を探す場所ではなく、働くためにどうすればよいのかを、相談していただく場所です。働きたいけれど何から始めてよいのかわからない、どのような働き方があるのかを知りたい、という方々にご利用いただいています。

不安や悩みなどのモヤモヤを具体的にお話しいただいて、その中からヒントや必要な情報を探して、次のステップに進んでいけるように、お手伝いをしています。

「働きたい」や「起業」を実現するお手伝い

利用される方は、20代から70代までと幅広い年齢層です。相談者は、“働く”ということの悩みを誰かに聞いてもらいたいという方が多いです。お友達やご家族に話しても、おすすめできないと言われたり、興味を持って聞いてもらえなかったり。自分がやりたいと思っていることを、誰かに聞いて欲しいという時にご利用いただいている印象です。

結婚・出産などを機に会社を辞めてしまい、その後復帰しようと思ってもブランクに不安を感じている方、あるいはフリーランスで働きたい方など、さまざまな方が相談に来られます。

例えば、契約社員から正社員になりたいという相談を受けた場合は、正社員になることによって、仕事量やお給料の他に、相談者の生活がどのように変わるのかを一緒に考えていきます。また、ステップアップすることを考えている場合、残業が増えたり、家事に手が回らなくなったりということまで考えが及んでいないことも。生活の変化について予想をされているか、解決策は考えられているか、お伺いしていきます。

子どもが幼稚園に行っている時間内にできる仕事を探しているといった相談も寄せられます。ある相談者は、9時から14時の間で、事務系の仕事を希望されていましたが、14時退勤の一般事務はなかなかありません。このような時は、飲食店でランチの時間帯に働くなど、職種の視点を変えるといった提案をします。

趣味や特技を生かして起業をしたいけれど、何から始めればよいのか迷われている方も多いです。

得意な英語を使って起業したいというご相談の場合、英会話教室、翻訳、通訳など、英語を使って何をしたいのか?というところを明確に。通訳ができる方であれば、通訳の仕事を探せる場所をご案内します。英会話教室を開きたい方には、教室の場所など、具体的なことをお伺いしていきます。自宅を教室にする場合は、ご家族のご協力は得られているか。部屋を借りる場合は、発生するコストの目安を考えられているか等です。

また、最初から教室を持つのではなく、公共の施設を利用しながら、簡単な講座から始めていくという方法を提案することも。まずは、周知をすること、生徒さんに来てもらう仕組みをつくることが大切なので、一時利用できる会場を利用することも検討していただきます。立場上、講座を開くまでの実務的なお手伝いはできませんが、企画書に対してのアドバイスをすることはできます。

相談時間は1回50分。相談頻度は個人によってさまざま。

海外から輸入したものを販売したいという方には、クオリティの担保や、持続的な供給、現地に信頼できるスタッフはいるか等をお伺いし、輸入に関しては商工会にご協力いただいて、対応しました。

起業したいと相談に来られる方は、勢いがあるがゆえに、何が起こるのか、何が必要なのか、考えが及んでいないことも多いです。起業するということは、何カ月、何年先までのビジョンが必要です。

具体的にイメージしてもらうために、日本政策金融公庫の創業計画書をお渡ししています。本来は融資を受けるための用紙ですが、自分が起業をする理由や、経験やセールスポイント、収支等を記載できる用紙なので、文字にして埋めていただくことで、頭の中を整理して考えていただくことができます。

一歩踏み出したい方を全力で応援

このように、ご本人が気づいていないことをアドバイスしたり、ハローワークでは相談できないような細かいお話をお伺いしたりします。なぜ働きたいのか、なぜ起業したいのか、その方のバッググラウンドのようなものを丁寧にお伺いしていくと、「実はね」という話からモヤモヤがいっぱい出てきます。

相談をしていただいても、全てを解決することはできませんが、情報提供をしたり、その方の状況にあった場所におつなぎしたり、といったお手伝いはできます。相談内容によっては、全く知らない分野であることも少なくはないですが、いろいろと調べて、勉強しています。一歩踏み出して、相談しに来ていただいたからには、何かを持って帰ってもらいたいし、全力でお答えしたいと思っています。

私自身、出産してから14年の専業主婦期間を経て、新しい仕事に就きました。ある日、朝食を食べながら晩御飯の献立を考えていたときに、急に「社会に取り残されるのでは?」と思ったのです。そこから会計事務所で仕事を始め、平成21年からこちらの部署で働いています。

母親がいきなり働き始めるということは、家族や周りを巻き込みます。ご自身の思い以外のところを、丁寧に準備していく必要があるということを、自分の経験も踏まえて、お伝えしています。

長年、専業主婦を務めていても、また一歩踏み出せば、新しい世界が広がっているということも感じました。同じような悩みを持っている方には、いつでもスタートできる、と背中を押してあげたいと思っています。

働き方への視野が広がるように、気軽に相談して欲しい

男女共同参画センターでは、さまざまな講座を開いています。ワーク・ライフ・バランスに関する講座や、県と共催の働き方セミナー、ハローワークの方を招いての就労準備講座、日本政策金融公庫と共催の起業準備講座、もう一度パソコンを学びたい方へのスキルアップ講座などです。

「大人の読書タイム」や「パパタイム」など、”あると嬉しい”事業が開催されている。

女性活躍の支援の一環として、父親向けの講座も開催しています。パパの料理講座や「パパタイム」という父親同士の交流の場も設けています。講座は、実際に相談を受けて、相談者の役に立ちそうな内容にすることが多いです。

お子様がいらっしゃる場合、講座中の託児は一人につき、300円の保育料で利用いただけます。生後6か月~未就学児のお子様が対象で、託児室でお預かりします。

毎月2回開催している「大人の読書タイム」という事業では、お子様を預けていただく1時間30分の間、勉強や読書をすることができます。図書コーナーの本も充実しており、2週間に2冊借りていただくこともできるので、積極的にご利用いただければと思います。

図書コーナーには本がずらり。図書館代わりに利用することもできる。

今後は、講座についても、窓口についても、もっともっと周知していけたらいいなと思っています。どのようなことでも気軽に相談して欲しいと思っているので、配布しているチラシに「暮らしや働き方でモヤモヤを感じたことありませんか?」と記載しています。この言葉にピンときて、ご予約いただく方も多いです。

「こんなことで」と思わずに、気軽に相談していただければ嬉しいです。

男女共同参画センターウィザスあしや|https://www.city.ashiya.lg.jp/danjo/withus/centerwithus.html

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