【NPO法人さんぴぃす】ひとを育てる まちを育てる 学びを育てる
今回のインタビュー
NPO法人さんぴぃす 理事長
河口 紅 さん
NPO法人さんぴぃす 事務局長
大脇 巧己 さん
はじめに
どういった活動をされているか教えてください。
子育て支援からまちづくりまで、幅広く事業展開していますが、人材育成が最も大きな活動を占めており、柱となっております。さらにNPOで言う中間支援活動も行っており、その両輪が主な活動です。こういった事業スタイルは企業には無い、NPOならではの特徴でもあると思っています。
具体的には教育分野においては、高等学校での教職員研修や授業実践、キャリア教育の講演等を依頼されることが多いですね。企業を対象とした研修では「チームビルディング」や「働き方改革」に関する研修の依頼を頂くことが増えてきています。他にも芦屋バルの事務局、野外体験活動「アシレンジャー」の主催、島&都市デュアルプロジェクトへ参画したり地域に根差した活動をしています。
必ずしも明確に規定された定義があるわけではない言葉ですが、今回はメンター的な役割を果たし、情報をワンストップで集めてハブの中心になり、他の事業者や団体に対してスキルや人脈などを提供していくような幅広い支援活動を指して使っています。
実は芦屋バルの事務局なども、地域の事業者支援という事で中間支援の活動の一環として行っております。
元々はどういった背景で活動を始められたのですか?
日本の子どもたちが、世界中で一番良い「学びの環境」で学べるようにしたい、と思ったのがきっかけです。
20年近く前になりますが、たまたま教育の現場に仕事で関わった時に、昔ながらの一方通行の講義形式の授業であることを知り、大袈裟ですが、日本の将来に危機感を感じました。自分に何か出来る事はないのかと。先生方の方法を否定するわけではなく、私が(株)リクルートに在籍している時に学んだ、人を育てるノウハウや、それ以降の自分の知見を活かす事で、より良い形にする事ができるのではないかと思い、同じ志を持つ現役の先生たちとともにさんぴぃすを立ち上げました。
ただ、想いはあるものの、当初は中々その目的にはたどり着けなかったので、ミッションの延長線上として幅広い活動を行うことになりました。代表的なものは、「アシレンジャー」などの環境学習活動や、地域の子育て支援情報誌の発行などです。子どもからお母さんまで、地域をまきこみながら支援を行いました。まさに「地域活動」ですね。こういった地道な活動を続けることにより、ようやく地域の人とネットワークができ始め、今に至っています。
女性の活躍に関して
女性の活躍に関して感じている事はありますか?
私たちが活動を始めた15年前と比べると、「活躍」という言葉に含まれる意味自体が変わってきていると思います。以前なら、企業などに属して、仕事ができる、できないといったことでしか活躍が認められなかったかもしれませんが、いまは、「個」を大切にしつつ、地域のネットワークの中で活躍できる選択肢が増えているのではないでしょうか
実際に阪神間のお母さん達はSNSなどで「クラフト作家ネットワーク」をつくってママフェス等を行い、収益を得ていたりします。売る側も買う側もお母さんたちです。PTAなどの地域のつながりとテクノロジーを活用する事で新しい活動の方法が生まれ、地域の絆で事業を行う事ができるようになった一例ですね。企業などに属さなくても地域の中で新たな形で「活躍」できるということだと思います。
また、昔は女性の井戸端会議って、ちょっと軽んじられていたかもしれませんが、実はその場で生れる「口コミ」に、今は大きな価値があると思います。家事や育児を主に担うことが多い女性は、行政や企業が見逃している問題をしっかり把握していることが多いようです。
そういった問題点を単なる口コミで終わらせるのではなく、生活者の視点として効果的に情報発信できれば、新たな形での「女性の活躍」につながるのではないでしょうか。さんぴぃすがハブとして機能することで、企業や行政ともつながる事ができます。是非皆さんにはさんぴぃすを上手に活用して、ご自身のやりたい事に集中して頂ければと思います
最後に
お母さん支援ブックのご紹介
4年程前に子育てをしているお母さんに支援ブックを作りました。今回は新たに女性が自分のためのライフプランを描ける冊子を作成しております。子育て中のお母さんは「家族のため」「お子様のため」と自身の事を後回しにしがちです。そして家族のライフプランは、子どもの成長とともに計画されている方は多いのですが、お子様が独立したあとの「自分」のライフプランまで描かれている方は非常に稀です。誰々のお母さんではなく、自分のライフプランを描けるように作成し、提供できればと考えています。
2018年4月から公開の予定となっておりWEBからご覧いただける予定ですので、ご興味がある方は是非さんぴぃすのHPかFBでの情報の発信をご覧ください。
河口さんから皆様に一言
人生のスケジュール管理をするためには、まず日々のタイムマネジメントを考える癖が重要です。毎日の家事は、わざわざマネジメントしなくても大体習慣通り動けば、こなすことができますよね。そしてあっという間に1日が終わるというお母さんも多いのではないでしょうか。
そこで、私がおすすめしたいのは1日のうち10分でいいので「私のために使う時間」をタイムマネジメントしてつくることです。「たまたま今日は時間があいた!」ではなく、いかにして10分を生み出すか工夫することがポイント。多忙なお母さんたちは、どうしても自分のことは後回しになりがちです。だからこそ、妻でもない母でもない「私」を感じる時間を創ることで、意識が変わってくるようです。たかが10分と思うかもしれませんが、続けると1週間で1時間を超えます。是非、トライしてみてください。